サガ期のvault大会まとめ

 

時は遡ること2023年2月3日。

 

デュエルマスターズ公式からある1枚のカードが発表された。その名は「絶望神サガ」。

 

誰がどう見ても「2枚揃ったらループします」と書いてあるそのテキストには誰もが困惑したが、このカードが現代DMに新たな風を呼び、新しい時代が来ることを全員に予感させたのも間違いない。

 

実際、絶望神サガの登場以降環境は一変し、このカードが殿堂入りするまでの約半年間、サガというデッキタイプは常に環境トップに君臨し続けることになる。

 

そこで今回は、絶望神サガが登場してから殿堂入りするまでの約半年間を、vault大会ヒストリーやYouTube、ブログ等を頼りに振り返ってみたいと思う。最後まで読んでいただけると非常に嬉しい。

 

 

第一期(2/17〜3/9)

 

vault大会では新弾のパック発売日の前日から封入されてるカードが使用可能になるため、vault大会のサガの歴史はサガが封入されてる「ヒーローズ・ダークサイド・パック~闇のキリフダたち~」発売前日の2/17からとなる。

とはいっても2/17の時点では使用者も1人、入賞数も0と大した活躍はなかった。それでも参加者の構築に目を向けてみると、《モルトNEXT》が「お清めシャラップ」を採用したり《アナカラージャオウガ》が「ストラトバッグ」と「DGパルテノン」を採用したりと、少なからず皆どこかで《サガループ》というデッキタイプを危険視してたことは間違いない。

しかし本番は2/18だ。この日は参加者が我先にと《サガループ》を使用し、その結果、使用者数は21人中8人、優勝と準優勝を両方獲るという華々しい結果を残し、《サガループ》というデッキの前評判以上の強さを知らしめる結果となった。

そしてこの流れは第1期(2/17〜3/9)終了まで続き、見事ベスト4以上入賞・優勝数ともに最多という結果を残すことになる。

この頃のサガの構築は、初期は「ロストウォーターゲイト」や「ゴッドシグナル」等の1コストサーチ呪文を大量にデッキに入れて速度特化した型(2/18 優勝)が主流だったが、次第に「龍頭星雲人/零誕祭」と「オブザ08号/終焉の開闢」を採用した型(3/9 優勝)の方が主流となっていった。

メタゲームの話をすると、サガが登場するまでは環境上位だった《ガイアッシュ覇道》や《青黒ゼーロ》といったデッキは軒並み没落し、逆に踏み倒しの抑制や墓地リセット等のサガへのメタを上手く使える《アナカラージャオウガ》や《青魔導具》、《万軍投コントロール》等は前環境から母数と入賞数を大きく伸ばす結果となった。

この期間中に開催された最強位決定戦においても、サガは優勝こそ逃したものの準優勝、3位、4位のプレイヤー全員がオリジナル/アドバンスのどちらかでサガを使用し、優勝者も明らかにサガを意識したデッキ選択と構築をしてようやく優勝できたというのだから、この時から既に環境は「サガ」vs「サガをメタるデッキ」の構図になっており、サガが堂々の環境トップであったことは間違いない。

 

第二期(3/10〜5/19)

 

3/10の殿堂発表にて、「暗黒鎧ザロスト」、「一なる部隊イワシン」、「ガルラガンザーク」の3枚が殿堂入りに。

サガからはルーターかつフィニッシャーである「イワシン」が制限され、サブプランの「オブザ」と「雲人」の運用が難しくなったためプレイヤー達はリペアを余儀なくされた。そのため3月から4月初旬にかけての環境は「構築も定まらずパワー不足のサガ」vs「殿堂前からいたサガに有利なデッキ」vs「その他」の構図となった。

この時期が最もサガが活躍できなかった時期と言ってもよく、新環境始まってすぐの頃は《アナカラージャオウガ》や《万軍投コントロール》を始めとしたデッキ達に入賞を妨げられることが多かった。

しかしその後「蒼神龍ヴェールバビロニア」と「コダマダンスチャージャー」の2枚が発掘され、サガは従来の墓地肥やし中心の「オブザ」+「雲人」をサブプランに置いた型から、「コダマダンス」と「バビロニア」を用いてリソースゲームで勝負する型(5/8 優勝)へと移行することで今までと何ら変わりなく環境トップに居続けることになった。

逆に制限をくらって弱体化した《青魔導具》や、サガがリソース勝負が可能になったため有利を主張出来なくなった《万軍投コントロール》等のデッキは次第に数を減らしていった。

そこでサガの対抗馬として新しく目をつけられたのが《赤黒バイク》(5/9 準優勝)だ。《赤黒バイク》は当時サガに有利を主張できる数少ないデッキな上プレイもさほど難しくないことか次第に数を伸ばしていき、同時期に、"サガに不利がつくもののサガ以外は全部有利"という主張から、《モルトNEXT》(4/29 準優勝)も徐々に数を伸ばし、環境は《サガ》vs《バイク》vs《モルネク》の三強環境に突入することとなる。

ちなみにサガに関しては、この頃から既に《ダンタル型》(5/9 優勝)が誕生していたが、当時はまだカードプールが狭くその実力を100%発揮できてなかったため、強さ・使用者ともに《DOOM型》>《ダンタル型》だった。(ただ、この時期に「邪神Mロマノフ」が発見されるなど、研究が止まっていたわけではない)

この期間に4/15〜4/16にかけて行われたDMGP2023-1stにおいては、《サガループ》はオリジナルはベスト4以上の入賞数0、アドバンスは準優勝という結果に終わった。一見すると最強位決定戦に比べてあまり振るわなかったように見えるが、それは参加者全員が真っ先に《サガループ》というデッキを意識してデッキ選択と構築を行ったからであり、それだけ標的にされていたにも関わらず準優勝したというのだから、やはり環境トップであったことは間違いないだろう。

 

第三期(5/20〜)

 

5/20に発売された「スタートWin・スーパーデッキ 深淵の邪襲」にて「ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」」が収録され、これを採用した《ダンタル型》のサガが流行し始める。